身近な物が持つエネルギーに気づきクリアリングする実践ワーク
身近な物があなたに与える影響
日々の生活の中で、私たちは様々な物に囲まれて過ごしています。自宅の家具、オフィスのデスクにある小物、いつも持ち歩くカバンの中身など、意識せずとも多くの物に触れています。これらの物は単なる物理的な存在だけでなく、それぞれの歴史や、触れる人の想い、その場所のエネルギーを帯びていると考えることができます。
例えば、長年愛用しているマグカップからは心地よさや親しみを感じるかもしれません。一方、過去の嫌な出来事を思い出す物や、使われずに埃をかぶっている物からは、なんとなく重苦しい雰囲気や、停滞したエネルギーを感じる場合があります。
これらの身近な物が持つエネルギーは、知らず知らずのうちに私たちの気分や心の状態に影響を与えている可能性があるのです。日々のストレスや漠然とした不安を感じやすい時、身近な物や空間が持つエネルギーに意識を向け、不要なものをクリアリングすることは、内面的な変化や平穏を取り戻すための一歩となるかもしれません。
このワークでは、特別な道具や複雑な儀式は必要ありません。必要なのは、ご自身の「気づき」と「意図」だけです。初心者の方でもすぐに取り組める、具体的な実践方法をご紹介します。
「物が持つエネルギー」とは?
「物が持つエネルギー」という言葉を聞くと、難しく感じる方もいらっしゃるかもしれません。ここでは、専門的な概念としてではなく、より感覚的で日常的なものとして捉えてみましょう。
例えば、誰かからプレゼントされた物には、贈ってくれた人の気持ちが込められているように感じます。お気に入りの場所で買ったお土産には、その場所の空気や楽しい思い出が宿っているように感じます。このように、物は単に形があるだけでなく、それにまつわる情報や感情、歴史といった見えない側面を持っていると考えることができます。
私たちは普段意識していませんが、これらの見えない側面(エネルギーのようなもの)は、その物に触れたり、そばに置いたりする私たちに影響を与えています。物が持つエネルギーに気づくことは、自分自身がどのようなエネルギーに囲まれて生活しているのかを知る手がかりになります。
このワークの目的は、特定の物や場所のエネルギーを「良い・悪い」と判断することではありません。あくまで、今ご自身にとって不要になったり、重荷になっているように感じられるエネルギーに気づき、それを手放し、心地よい状態へと調和させていくことです。
実践ワーク:身近な物のエネルギーをクリアリングする
このワークは、数分から始められる簡単なステップで構成されています。まずは、ご自身が「なんとなく重く感じる」「使うたびに気が進まない」と感じる物、あるいは「いつもそばに置いているけれど、あまり意識したことがない」という物を選んでみましょう。デスク周りのペン立て、引き出しの中の古い書類、ドレッサーの上の小物など、どんな小さな物でも構いません。
ステップ1:物を選ぶと準備
- クリアリングしたい物を一つ選びます。最初は小さな物や、思い入れがあまりない物から始めるのがおすすめです。
- 静かに集中できる時間と場所を確保します。数分で構いません。
- 選んだ物を手のひらに乗せるか、目の前に置きます。
ステップ2:物のエネルギーに意識を向ける
- 楽な姿勢で座り、ゆっくりと呼吸を整えます。
- 選んだ物を観察します。形、色、質感などを注意深く見つめます。
- 次に、その物にそっと触れてみます。ひんやりしているか、温かいか、滑らかか、ザラザラしているかなど、触覚に意識を向けます。
- そして、その物からどのような「感じ」が伝わってくるか、感覚を研ぎ澄ませてみます。心地よい感じでしょうか、それとも重たい感じでしょうか、何も感じないでしょうか。思考で判断せず、純粋な感覚に耳を澄ませるようにします。この時に何か特定の感情や過去の出来事が思い出されるかもしれません。
ステップ3:不要なエネルギーを手放す意図を設定する
- ステップ2で感じたエネルギーの中で、もしご自身にとって重荷になっている、あるいはもう不要だと感じられるものがあれば、それを手放すことを意図します。
- 心の中で、あるいは声に出して、「(物の名前)よ、あなたが帯びている私の(またはこの物自体の)不要になったエネルギーを、今、優しく手放します」と語りかけます。具体的な感情(例:過去の失敗に関連する物なら「自己否定のエネルギー」)があれば、それに言及しても構いません。
- 手放すことへの感謝の気持ちを添えると、よりスムーズにエネルギーが動く場合があります。「今までこのエネルギーを保っていてくれてありがとう。でも、もう大丈夫です」といったように。
ステップ4:クリアリングのアクションを行う
不要なエネルギーを手放す意図を込めて、以下のいずれかの簡単なアクションを行います。ご自身が最も「これでクリアになる」と感じられる方法を選んでください。
- 息を吹きかける: 物に向かって、溜め息をつくように「ふーっ」と息を数回吹きかけます。息に乗せて不要なエネルギーを外へ出すイメージを持ちます。
- 軽く払う: 手のひらや指先で、物の表面を優しく、外側に向かって払うような動きを数回行います。エネルギーの付着を払い落とすイメージを持ちます。
- 意識で光を送る: 物を手のひらに乗せたまま、または目の前に置いたまま、ご自身のハート(胸の中心)から清らかな光が湧き上がり、その物を優しく包み込み、クリアにしていくイメージを持ちます。
ステップ5:新しいエネルギーを意図する
クリアリングが終わった物に、どのようなエネルギーを帯びてほしいかを意図します。
- 物を手のひらに乗せるか、目の前に置きます。
- 「(物の名前)よ、今、あなたに(軽やかさ、創造性、平穏、集中力など、望むエネルギー)の光(またはエネルギー)を満たします」と意図します。
- そのエネルギーが物の中に満たされていくイメージを数秒間持ちます。
これで、一つの物に対するクリアリングワークは完了です。
実践のヒントと注意点
- 毎日少しずつ: 一度にたくさんの物を行う必要はありません。まずは一日に一つ、または数日に一つと、無理のない範囲で続けてみましょう。
- 感覚を信頼する: 「正しくできているか」を気にしすぎないでください。ご自身の感覚や意図が最も大切です。何も感じなくても問題ありません。継続することで、徐々に感覚が研ぎ澄まされていく可能性があります。
- 場所のクリアリングへの応用: このワークの考え方は、特定の場所(デスクの引き出しの中、本棚の一角など)にも応用できます。その場所にある複数の物に対して、まとめてクリアリングの意図とアクションを行うことも可能です。
- 効果は個人差があります: このワークによる変化は、人によって、また物によって異なります。「劇的に変わる」というよりは、「なんとなく心地よくなった」「その物を見る時の気分が少し軽くなった」といった subtle(ささやか)な変化として感じられることが多いかもしれません。焦らず、ご自身のペースで取り組んでください。
- 物理的な整理整頓も大切: このワークは、物理的な整理整頓の補助となるものと考えてください。物理的な環境を整えることと合わせて行うことで、より効果を感じやすくなる場合があります。
まとめ
身近な物が持つエネルギーに気づき、クリアリングするワークは、日々の生活にスピリチュアルな視点を取り入れ、内面と外側の環境を調和させていくための簡単な実践方法です。デスクの上のペン一つ、引き出しの中の古い手紙一つにも、私たちの意識が影響を与え、またそこから影響を受けています。
このワークを通じて、ご自身の身の回りの物や空間との関係性を見つめ直し、不要なエネルギーを手放すことで、心が軽くなり、日々のストレスや不安が和らぎ、より快適で集中できる環境を整えることができるかもしれません。
「何から始めて良いか分からない」と感じているなら、まずは今、あなたのすぐそばにある一つの物を選んでみてください。そして、その物に意識を向け、クリアリングの意図を送ってみましょう。その小さな一歩が、内面の変化へと繋がる確かな道となるはずです。